不登校のきっかけ、原因となることは様々ありますが、よく取り沙汰されるのは「不登校は家庭環境が原因である」というもの。
ただ、「家庭環境」と一括りにされても、いったいどういう家庭環境のことを指すのかがわかりませんよね。
また、家庭環境が全ての不登校の原因のようにも感じる一文とも読めてしまうでしょう。
そこでこの記事では、「不登校になる家庭環境とはどういうことを指すのか」ということについて考察してみたいと思います。
いくつかの要因が考えられますので、よければ1つ1つ見ていっていただければ幸いです。
この記事の目次
この記事で取り上げる「不登校の原因と考えられる家庭環境」は以下の6つのものがあります。
これらは「最初からそうであった場合」と「途中からそうなった場合」があるでしょう。
それらを踏まえて、1つずつ見ていきましょう。
シングル、つまり「片親」であるのが不登校の原因となるものです。
シングルの家庭だと親が遅くまで仕事をしているケースも多くなり、子どもと向き合う時間が必然的に少なくなってしまうことがあります。
もし一人っ子の場合だと、晩御飯はいつも一人で食べているということもあるかもしれません。
逆にきょうだいが複数人いる家庭では、一番下の子にかかりっきりになってしまって他の子どもの相手をする時間が短いという場合も。
こういう子どもの多くは、家にいるより外で友達と遊ぶ傾向が強くなります。
「愛情不足が不登校の原因」など言われることもあります。
親にもっと手をかけもらえる、心配してもらえるように、不登校を選んでいる子もいるようです。
実際に愛情が足りていない家庭もあるかもしれませんが、子どものために頑張って働いているお母さんを子どもはしっかり見ていますし、その愛情を強く感じているはずです。
小学生くらいなら不登校の要因として考えられますが、中学生以上になってくると「片親のせいで不登校」とは考えにくくなってきます。
(主に)父親の単身赴任によって、中長期にわたってシングルペアレント状態になってしまうことはあるでしょう。
今まで両親がいることでバランスが取れていたのが、片親になってしまったせいでアンバランスな環境になってしまいます。
単身赴任中でも休みを見つけては帰宅することが多いと思いますが、一度アンバランスになってしまうとなかなか元通りにはなりません。
父親がいないから不登校になるとも言われます。
父親に戻ってきてほしいので、不登校になって問題児になれば帰ってくると考えるのです。
とは言え、単身赴任をしている家庭はたくさんありますが、その家庭の子どもの多くが不登校になっているというデータは無いとのこと。
原因の一端にはなるかもしれませんが、これだけを理由にして不登校になるとは考えにくいでしょう。
親から家庭内暴力を受けている子は、その恐怖心から不登校になっている場合があるようです。
片親(もしくは両親)の暴力で心を閉ざしてしまい、人との関係を作ることができず孤立しています。
このケースはカウンセラーや児童相談所に頼る特殊な内容です。
親の喧嘩や別居、そして離婚することが原因で不登校になる子がいます。
離婚の最中に病気になったり問題を起こしたりすると、両親が元通りになるかもしれないと考えると言われます。
また、イライラしている自分の気持ちをわかってくれる(と思われる)不良グループに入るような子もいます。
さらに、不登校とは真反対ですが、家にいると両親のゴタゴタに巻き込まれるのが嫌で学校に行く子もいます。
再婚相手と暮らすことになって精神が安定せず、不登校になるというケースです。
このことは不登校にならなくとも、今まで家にいなかった大人の人と暮らすことになる以上、少なからず子どもには影響を与える事象でしょう。
再婚相手だけでなく、実の親に対しての関係も微妙なものになってしまい、その空気感から逃げるために学校に敢えて行くこともあり得ます。
親がもともと障がいを抱えている、または事故等で障がい者となった、入院が必要な重度の病気を患ったなど、親がなんらかの病気になった場合に家庭環境が変化し、不登校になってしまうケースです。
アルコールや薬物依存も含め、精神的な病気も含まれます。
心の状態というのは伝染することがあり、親の弱った心の状態が子どもの精神にも影響することが考えられます。
このケースでの不登校は、場合によっては精神科にかかる必要があるかもしれません。
この記事では、不登校の原因になる家庭環境とはなんなのか、ということについて考察してきました。
家庭環境が全ての原因ではないですが、やはり影響はゼロではありません。
これらは非常に難しい問題で、家庭事情によっては仕方のない部分も含んでいます。
それでも、「自分の子どもが不登校になったのは家庭環境が悪かったからだ。自分のせいだ。」と思い詰めずに、今から良い環境を作っていけるように配慮していきましょう。