子どもが不登校になると、それまでの生活とはガラッと変わってくることが考えられます。
そしてその状態を続けていると、親御さんは「大きな不安」を抱えていくことになります。
この記事では、不登校の子どもを持つ親が抱える不安と、それについての対処方法や考え方を解説いたします。
不登校の子どもを持ってすでに長い親御さんも、最近不登校になった子どもを持つ親御さんも、できれば最後まで読み進めてみてください。
この記事の目次
不登校の子どもを持つ親御さんの不安としてよく言われるものには、次の3つがあります。
どれも現在の不登校状態を続けていることで発生する自然な不安といえます。
次から順番に解説していきますね。
まず1つ目は、不登校の子どもの将来への不安です。
子どもの将来の案じない親はいないと思います。
それが不登校の子どもとなると、案じる想いはより強くなってくるんでしょう。
学校へ全然行かずに自力で学習し、学校授業と同等の知識や学力を身につけられる子どもはほとんどいません。
自習・自学ができる状態というのは、基本的に学校の勉強というベースがあって初めて成り立つものだからです。
不登校が長くなるにつれ、学習へのブランクが発生し、仮に復帰してもそのブランクを埋め合わせるのが難しいくなるものです。
そのことが気になって、「今更復学しても勉強が追いつかないよ」と考え、さらに不登校が長引くことになりがちなんです。
さらに学校授業で得る知識や学習方法についてだけでなく、「出席日数」という観点でも不安が生じます。
小中学校の義務教育期間ならまだしも、高校になると出席日数が規定数必要になり、不足すると留年という結果が待っています。
留年してもそこから心機一転やり直し、1つ下の歳の子が同級生になってもやっていけるタイプの子ならいいのですが、そうでなければ結局は自主退学などの心配も出てくるでしょう。
こうしたことがあり、社会復帰がどんどん難しくなるケースも考えられます。
これらに対するアドバイスとしては、将来のことを気にするのは仕方ないとしても、とにかく今できることを全力でやることが大事だと考えること。
心配しても何も変わらないので、本人が動けるように回復してきたら行動していくのが大切です。
「不登校はいつまで続くのか?」というのは、親なら誰でも考え、悩み、不安になるもの。
回復(復帰)への見通しが立たないことがとにかく不安で、いつ解決するかわからない状況がずっと続くと精神的にまいってくるでしょう。
そうなると、今まで気にならなかったはずの余計な心配もすることになり、不安が勝手にどんどん大きくなってしまいます。
また親御さんとしては、仕事に出られなくなったり自分の時間がなくなってくることで、さらにストレスがかかってきます。
子どもの状態も気がかりで心配なのはわかりますが、親も人間。
どこかで破綻してしまうかも、という不安もよぎるでしょう。
この感覚には、不登校からの復帰に向かって『何かしら進んでいる』という感覚を持つことができると、少しずつ軽減されるはずです。
要するに、子どもが抱えている学校への不安が少しずつ解消されてきているな、と実感できればいいのです。
例えば、癇癪(かんしゃく)を起こして暴れたり、訳もわからず泣き続けるなど感情の浮き沈みによる時間が前より少し短くなってきた(トラブル発生の間隔が長くなってきた)、といった思えるようになると、少しずつでも状況が改善してきているんだなと実感できるはずです。
少しの変化にも気がつけるよう、子どものことをよく観察してみてください。
不登校への対処方法は、本当にこのやり方であっているのだろうか?と不安になることがあります。
この問題には、そのくらい長期間にわたって対応し続けることが必要になるという意味でもあります。
接し方や対応が正解なのかどうかわからない不安や迷いは常にあることでしょう。
この期間が長引くにつれ、不安はどんどん大きくなってしまいます。
一般的に、何かの問題が起こっても自分の経験から解決方法を探って対処できるという人は多いですが、不登校の経験を持つ親はなかなかいません。
そのため、解決への適切な対応ができない(わからない)のが普通です。
不登校の子どもとメインで接している親御さん(母親のケースが多いと思います)は、自分の両親や義父母、夫(妻)などパートナー、そして近所の人などよりも、子どもへ集中することを意識してください。
正解がわからない(正解が無い)中で奮闘している親の愛は必ず子どもに伝わっていきます。
この記事では、不登校の子どもを持つ親御さんが抱える不安について解説いたしました。
不登校からの復帰には、とにかくすり減った子どもの心を回復させてあげられるような行動や心構えを持つよう意識しましょう。
そうしたからといって、即回復するわけでもないのが不登校という問題ですが、少しずつ少しずつ前進していくのは間違いありません。
親御さんは日々難しい選択を重ねていると思います。
「学校に行くのが全てではない、」
「自由に生きる」
などの言葉が近年の世の中には溢れているように感じますが、実際に学校へ行けなくなった際に受け皿になる場所や道は少ないというのは知っておく方がいいでしょう。
安易にこういった言葉に流されるのではなく、まずは心の回復、そして学校への復学を目指すようにしていきましょう。