自分の子どもが発達障害の可能性がある場合、専門の医師に診断してもらうことになります。
その際、「様子を見ましょう」と言われることが多いのですが、この言葉をどのように捉えますか?
親としては自分の子は発達障害でないことを願う人が多いのではないかと推察します。
ですので、医師にその場ではっきりと診断されず、「様子を見る」と言われると、少し安心するのが本音ではないでしょうか。
しかし実は、この言葉は「どちらかというと発達障害の傾向がある」と考える方がいいのです。
今回の記事では、医師の診断の結果「様子を見ましょう」と言われた場合の考え方やその後の対応について解説いたします。
この記事をお読みいただいて、医師の診断に対する心構えができれば嬉しく思います。
発達障害の診断を行うには児童精神科や小児科へ行くことが多いと思います。
そこで医師の診断によって、発達障害なのかそうでないのかといったことを診てもらうことになります。
ただ前提として、発達障害が一度の診断(初診)で見極められることはほとんどありません。
なぜなら発達障害は強い個性が表に出ている状態で、その時の気持ちや体調などによって強調される面が違ってくるからです。
それをその時一度の診断で決定づけるのはあまりにも難しいため、ここで「様子を見ましょう」と言われるのです。
医師に様子を見ましょうと言われた場合、「発達障害ではない」という意味に捉えないよう気をつけないといけません。
おそらくほとんどの親御さんは、自分の子どもに発達障害という診断をされたいとは考えていないでしょう。
そういった気持ちから、発達障害と診断されず「様子を見ましょう」と言われたことで安心し、その後病院へ行かなくなり病院とのつながりを絶ってしまう方も多いのです。
この「様子を見る」は、決して「発達障害ではない」という意味ではないことに注意しないといけません。
むしろ、「発達障害の傾向がある」というように考える方がいいでしょう。
前述の通り、親御さんの多くは「発達障害ではない」と診断してほしいと思います。
その気持ちから、様子を見ると言われると「もうこれ以上病院へ通わなくても大丈夫だな」と思い込んでしまいます。
ある意味、親として当たり前の気持ちとも言えます。
しかしこのことで一番困るのは、子ども本人なんですね。
早くに発達障害であると知ることができれば、周りの人から適切な支援を受けられるようになっていきます。
診断されることで、子どもに接するときに追い詰めるようなことをしなくてよくなるからです。
不明確、グレーゾーンの状況では、「何度も何度も注意してるのに、なんでそんなこともできないの!」と叱りつける場面も出てくるかもしれませんよね。
しかし子どもが発達障害だとはっきりし、それを理解することで、無理な躾をすることも減るでしょう。
自分(親御さん)自身を責めることもなくなってくることでしょう。
早くにわかることは決してマイナスではなく、プラスのことなのです。
この記事では、発達障害の診断について医者から「様子を見ましょう」と言われた場合の対応や考え方について解説してきました。
結論としては、この場合は医者・病院と長いつながりを持って、経過を注意深く見ていく方がいいでしょう。
特に軽い発達障害の場合であるほど周りからは気づかれにくく、成長した後の社会生活が大変になってしまいます。
ただ、もし診断されたことを受け止め切れないなら、それは無理に受け止めなくてもいいと思います。
同じ診断をされた人がみんな同じ症状というわけでもありません。
自分の子どもにはそういった特性、強い個性があると理解してあげるのが大切です。
子どもの生きづらさを知ってあげられれば、それが一番なんですね。
様子を見ましょうと言われた後も、実際に診断された後も、どのくらいの期間、何に注意してどのようにして過ごせばいいのかなどをよく確認し、次の受診日を決めておきましょう。
受診するのは児童精神科医か小児科医がいいと思いますが、わからなければ児童相談センターや自治体の福祉課に相談してみてください。
この記事が少しでも助けになっていれば嬉しく思います。