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中学生学習障がい

【ADHD・高校受験まとめ】高校選び、内申点、受験対策など

2021.09.3
【ADHD・高校受験まとめ】高校選び、内申点、受験対策など

ADHDをはじめ発達障害があるお子さんをお持ちの親御さんは、「高校受験」で悩みがちですよね。全日制か通信制か、サポートはしてもらえるのか、内申点は影響するのか、そもそも高校受験は可能なのか……、考え始めるとキリがないんです、というご相談もよくお聞きします。

この記事ではADHDなど発達障害のあるお子さんの高校選びや受験対策、特性に応じたサポートの受け方などをまとめて解説します。発達障害があっても高校受験は可能です!最後まで読み、お子さんの高校進学のヒントにしてくださいね。

この記事の目次

ADHD(注意欠如・多動症)の特徴

まず初めに、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴について簡単に説明いたします。
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【ADHD(注意欠如・多動症)の特徴】
・じっとしていられない、座っていられない
・集中や注意が持続しない
・人の話を最後まで聞くことが苦手
・1つのことを最後までやり続けることが苦手
・やるべきことをすぐ忘れてしまう

ADHDのお子さんの進学先選択肢7つ

高校といえば「朝から夕方まで、週5日登校して勉強する場所=全日制」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は、進学先としてはほかにもたくさん選択肢があるのです。

ADHD・発達障害のお子さんが、中学卒業後に進学できる学校を7つご紹介しましょう。

全日制高校

いわゆる「朝から夕方まで、週5日登校する」学校です。普通科、職業科、体育科、総合学科などがあり、卒業に必要な単位は学年制で取得する場合と単位制で取得する場合とがあります。

ただし現在、全日制高校で支援級を持つ学校はありません。一般の生徒と同じ授業を受けることが前提となります。

定時制高校

定時制高校は通学する時間帯を「午前の部」「午後の部」「夜間部」の3つから選べるスタイルの学校を指します(*)。学校に行く時間が選べる点、また1回あたりの授業時間が短い点が全日制との違いです。
卒業には「3年以上の在籍」および「74単位の修得」が条件となります。
* 実際の開校時間帯は学校ごと定められています。各高校のホームページ等でご確認ください。

通信制高校

通信制高校とは自宅にいながら通信の形で教育を受け、所定単位を取得することで卒業資格を得られる高校のことです。

現在、全国に全国に253校あり、うち175校は私立学校が運営しています(※令和元年5月時点)。「ネットの高校」として有名になった、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する「N高等学校」も私立通信制高校の1つです。

高等専門学校

高等専門学校とは、いわゆる「高専」のこと。工学や技術などの専門的な教育を5年かけて行う学校を指します。卒業すると短大卒扱いとなり、大学へは3年次からの編入が可能です。また卒業後は知識を活かし、専門職に就く生徒も多くいます。

高等専修学校

高等専修学校とは、実務的な専門知識に重きをおいた教育を行っている学校のことです。社会的には高等専修学校修了者は高卒同等の扱いとなり、修了と同時に大学入学資格が得られる学校もあります。

特別支援学校高等部

障害者の自立を目指した教育を行うのが特別支援学校で、高等部からの入学も可能です。管轄は各都道府県教育委員会で、詳細は教育委員会ホームページの「高校入試」項目から確認できます。

チャレンジスクールなど

不登校や高校退学などを理由に「高校に通えなかった生徒」を定時制で受け入れているのが「チャレンジスクール」などの名称で運営されている高校です。まだ一部地域のみの取り組みですが、今後全国に広がることが期待されています。

「チャレンジスクール」というのは東京都での名称で、大阪府や神奈川県では「クリエイティブスクール」、埼玉県では「パレットスクール」という名称で呼ばれています。

ADHDのお子さんの高校受験で気をつけたいポイント5つ

ADHDや発達障害のお子さんが高校受験に臨む際、とくに気を配っておきたいポイントが5つあります。

① お子さん本人の希望をよく聞くこと

まずはお子さん本人の希望をよく聞くということです。お子さんは発達障害を持っているかもしれませんが、一人の個人でもあります。これまでの人生経験や学校生活、友人からの情報などを通じて、自分なりに「こうしたい」という思いを持っている可能性があります。

「発達障害だから、××」と決めつけるのではなく、まずはお子さん本人の話をよく聞いてあげましょう。その上で「こんな選択肢もあるよ」と幅広く情報提供をし、親子でよく考えていくことが希望進路の実現につながります。

② お子さんの得意・不得意、伸ばしたい点を整理すること

発達障害のお子さんは、特定分野に強いこだわりを持っていることもあります。興味のあることには驚くほどの集中力を見せる一方、興味が無いことには徹底して無関心であることも。高校生活を通じて伸ばしたいのはどんな分野か、お子さんの特性をよく振り返ってみましょう。

人とコミュニケーションを取るのは苦手だけれど、ゲームやアニメ、ファッションなど熱中できる対象があるというお子さんなら、通信制高校の専門コースも合うかもしれません。高校や学科、形態によって学べる内容はさまざまです。お子さんが伸び伸びと取り組める方向を見つけられるよう導いてあげてください。

③ 内申点がどれくらいか確認すること

全日制高校、あるいは高専など一般の生徒が多く受験する学校を希望する場合は、合否判定において内申書が占める割合が大きくなります。お子さんの内申点はどれくらいか、受検したら合格できそうかといった点を事前に確認しておくと、高校を選ぶ際の判断材料になってくれますよ。

内申書には主に「中学校生活の様子」「教科の学習状況」が記載されています。発達障害があるお子さんだと、参加できない活動があった、授業中に注意散漫になっていた、定期テストの成績が伸び悩んだといったことが要因となり、内申点が低くなっているケースもあります。

内申書については担任の先生に、早めに確認しておくことをおすすめします。また中学で特別支援級に在籍していた場合は内申点がつきませんので、進学先については個別に相談してみてください。

④ 高校卒業後の進路を考えておくこと

高校卒業後の進路も早めに検討しておきましょう。高校卒業後は「進学か」「就職か」という実質的な2択に絞られることになります。高校受験の段階から卒業後の進路について考えておくと、高校もより希望に合うものを選びやすくなります。

⑤ 学校見学にいくこと

通信制の学校を除き、お子さんと一緒に学校見学に行くことをおすすめします。文化祭などのイベントなら外部の人も校内に入りやすいですし、学校説明会があればぜひ参加しましょう。

また平日の朝や夕方も狙い目。学校のそばまで行くと、通う生徒たちの「普段の様子」がわかります。特に登校時は、校門に先生が立っていることもあるので、生徒と先生の日常的なやり取りを見ることもできるでしょう。

実際の学校の様子や生徒の雰囲気を見て校風を感じると、お子さんの印象も変わるかもしれません。入学後に「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐためにも、事前見学は大切です。

まとめ

ADHDのお子さんと高校受験について、高校選びから受けられる支援、確認事項、サポートのポイントなどをまとめてきました。お子さんがADHDだと、つい「できないこと」にばかり注目してしまい、高校なんて無理なんじゃないかと思いがちです。

しかしお子さんに合う高校を見つけられれば、高校進学は決して不可能ではありません。通う学校を選べなかった中学までと異なり、自分に合った高校を選べたことで、意欲的になったというケースもあります。

適切な準備とサポートで、お子さんの希望する進路を実現してあげましょう!

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