子どもを叱る時って、どうしても感情的になってしまいます。
叱る理由自体は様々あるでしょうが、その多くは「言うことを聞いてくれない」というところにあるのではないでしょうか。
その場合の対応としてやってしまいがちなのは、何かしらの罰を与える方法。
直接的な体罰(頭を叩くなど)の他、怒鳴りつけたりものを取り上げたり、または無視するなど精神的な罰の場合もあるでしょう。
叱る方も感情的になっているのである程度仕方ない部分もありますが、やはり罰を与える叱り方は良くないことです。
この記事では、なぜ罰を与える叱り方が良くないのかについて、深掘りして解説いたします。
「叱る際はつい何かしらの罰を与えてしまう」という親御さんに読んでいただければ嬉しいです。
この記事の目次
子どもに罰を与える叱り方が良くない理由は次の4つが考えられます。
いずれも「罰を受けた子どもがどうなっていくか」という部分を考える必要があります。
順番に解説いたしますね。
罰を受けて叱られてしまう子どもは、その後より反発的な態度をとるようになります。
今までより攻撃的になったり、もっと悪いことをしてしまったり・・・
その理由は、叱られて行き場のなくなった気持ちが溜まりすぎ、フラストレーションが爆発してしまうから。
叱られている間は体にも心にも、どこにも逃げるところがありません。
逃げ場が無くなった気持ちはそのうち怒りに変わり、怒りの対象は当然その相手に向けられます。
怒りは今まで以上に攻撃的な行動になり、それを押さえつけようとするとさらに大きな罰を与える。
そんな負の連鎖が続く原因となるのです。
罰を与えることで問題を解決する方法は、子どもへ「それが正しい解決法方だ」という学習をさせてしまいます。
なぜなら、子どもは親(や周りの大人)の行動を真似し、成長していくからです。
罰という攻撃的な方法でなくても、話し合うなど平和的な解決方法もあるはず。
その方法を教えず(見せず)に育ててしまうことで、子どもが成長して大人になった時も同様の方法をとってしまうことになります。
もし子どもが大人になって、自分の子を持つようになったら?
やはり罰を与える解決方法を取ることが多くなり、負の連鎖となってしまうかもしれません。
罰を与えてくる相手と円満な人間関係を築くのは難しいことだと思います。
これは大人でも同じですよね。
なぜなら、何かしらの罰を与えてくる相手を「自分の味方だ」と心から信じることができなくなるからです。
例えば親子の関係であれば、もちろん子どもは親を信じたいと思っています。
しかしその相手が自分に対して暴力を振るったり、無視をしたり、ひどい言葉をかけてくるようになると、信じる気持ちが弱くなり、いずれ失ってしまいます。
そうなると心を閉ざしてしまい、親子関係にヒビが入ることでしょう。
叱ると言うことは、何かしらの問題行動を改善してほしいという理由があるはず。
しかし罰を与えることで子どもが思うのは、「どうやって罰から逃れようか」ということなんです。
本来はその「何かしらの問題行動」を改善するよう考え、次からはしないでいてほしいはず。
しかし直接的な「罰」を与えることでは「行動の反省」をすることなく、どの部分が問題だったのかを考えなくなります。
どこが悪かったのかをじっくり説明し、理解させることで、その後の改善につながっていくんですね。
この記事では、子どもを叱る際に罰を与える方法が良くない理由について解説いたしました。
罰を与える方法というのは、ある種「伝統的な方法」とも言い換えられます。
自分はそうして育てられてきたという大人の人は多いのではないでしょうか。
しかし本記事で見てきた通り、このやり方では一時的な解決にしかなりません。
それどころか、後々に大きなマイナスになるやり方とも言えます。
罰を与える目的は、望ましくない行動をやめさせるため。
そのためにはまず「なぜ今の行動が良くなかったのか」を理解させる話し合いが大切ですね。
この記事が参考になっていれば嬉しく思います。