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小学生の効率的な勉強環境と適切な勉強時間について

2021.08.18
小学生の効率的な勉強環境と適切な勉強時間について

小学生はどれくらい勉強すればいいのか、またどのように勉強させるのが良いかというのは悩むところですよね。中学に向けてしっかり準備をしたいというご家庭も、あるいは学校の宿題をやらなくて困っているというご家庭も、さまざまあるかと思います。

小学生での学習習慣は、中学生になっても基盤になり続ける大切なもの。良い習慣は小学生のうちに身につけておきたいですね。

今回は「小学生の勉強法と、今から始められる学習習慣づくり」について解説します。

この記事の目次

【小学生向け】効率の良い勉強法に必要な3要素

小学生が学ぶ内容は国語や算数といった主要教科だけではありません。近年は英語やプログラミングも加わり、学校で勉強する内容がとても多くなっています。また習い事を掛け持ちする小学生も多い現代では、家庭で十分な学習時間を確保するのが難しい場合もありますよね。

そんな小学生事情に合わせて、この頃は小学生の勉強でも「効率」という視点が重視されるようになってきました。そして小学生が「効率の良い勉強」を実践するには、必要不可欠な要素が3つあります。1つずつ見ていきましょう。

効率学習に必要な準備① 勉強に最適な学習環境

1つ目は「勉強に最適な学習環境を整える」ことです。小学生に最適な学習環境とは、以下の5つを満たしていることが条件になります。チェックしてみてください。

✓ 机の上には必要なものしか出ていない
✓ チェック教科書やノートを広げる十分なスペースがある
✓ 必要なもの(辞書や資料集など)はすぐ手が届くところにある
✓「誘惑・娯楽」は視界に入らない
✓ 静か、しかし親の気配は感じられる

勉強する場所は自分の部屋でもリビングでも、お子さまが好む方で構いません。大切なのは「視界に勉強に必要なものしか入らないことと、十分なスペースがあること」です。小学生はまだまだ自律の道半ばですから、スマホや漫画が目に入れば気になり集中できなくて当然です。勉強以外のものは視界に入らないようにレイアウトを工夫しましょう。

また教材を十分に広げられる場所も、ストレスなく勉強するには大切なポイントです。

親のサポートについては3つ目の項目でも触れますので、そちらもご覧ください。小学生は親の気配がするほうが勉強しやすいようです。適度に声をかけてもらったりすることが励みになるのですね。ただし勉強している間は、テレビは消しましょう。家事の音はOKです。

効率学習に必要な準備② 勉強しやすい最適な教材

宿題以外の勉強を効率的に進めるには、教材の選び方にもポイントがあります。次の5つの条件を満たす教材が、効率的な学習には欠かせません。

✓ お子さまの理解度・習熟度に合ったレベルであること
✓ 文字は小さすぎず、色合いやデザインは派手過ぎないこと
✓ お子さまの文字の大きさに合った十分な書き込みスペースがあること
✓ 勉強の意欲を引き出す仕掛けがあること(キャラクターなど)
✓ お子さまが達成感を感じられるものであること(厚い1冊より、薄い数冊)

まず「レベル」です。学習の目的やお子さまの理解度・習熟度に合わせて最適なものを選びましょう。学校の授業レベルの勉強をしたいのであれば「教科書準拠」「基礎・標準」という表記があるものがピッタリです。
また伸びのびと字が書けることも大切。たとえば筆算での間違いは、桁の不揃いが原因になることが多いと知られています。狭いスペースはミスのもと。勉強に必要な余白が不足していないかもチェックしてみてください。

意欲を引き出す仕掛けを盛り込んだ教材も増えています。キャラクターが登場したり、ゲーム性を持たせたりといったものですね。お子さまが楽しく取り組めて、達成感を感じられるものを選んであげましょう。

効率学習に必要な準備③ 保護者の見守り

効率的な学習に欠かせない要素の3つ目は「保護者のサポート」です。「保護者のサポートが学習効率を上げるのに必要か?」
そうです、とても大きな役割を果たしますよ。

「リビング学習」という言葉をお聞きになったことはありますか?文字通り、子どもがリビングのテーブルで勉強することを指した言葉です。「リビング学習」には賛否さまざまありますが、「リビング学習」が良いと言われる本質は「子どもは親の近くだと安心できる、よって勉強に集中でき効率が上がる」という点にあります。

勉強している子どもの近くに親がいると、自然と勉強の様子を尋ねたり労ったりということが起きますよね。一緒に図鑑で調べたり、勉強したりということも起こりえます。このように「親が近くで自分を見てくれている」という状態を、子どもたちは「親に応援してもらっている」と捉えるのです。親の応援を実感でき、安心して勉強に没頭していけるというわけですね。

学年が下がるほどこの傾向は顕著で、一人で部屋にいると不安で集中力が下がるからリビングで勉強したいというお子さんも数多く見てきました。小学生にとって親の存在というのは、勉強する上でも大切な役割を担っているのですよ。

小学生に最適な勉強時間はどれくらい?

さてここからは、気になる「勉強時間」についてもチェックしておきましょう。効率の良い勉強法を知ったとしても、学習する時間が0では成果は出ません。かといって、小学生のうちから1日何時間も…というのは無理な気もしますよね。

小学生に最適な勉強時間というのは、どれくらいなのでしょうか?

小学生の勉強時間の平均は「約1時間半」!

ベネッセが小学5年生2,601人を対象に調査した「2015年第5回学習基本調査 データブック」によると、「平均学習時間=1時間半」という結果が出ています。また「勉強時間のうち宿題をしている時間=平均約50分」ということも分かっています。1日に1時間半勉強し、このうち50分は宿題をしている。つまり宿題以外に平均40分勉強しているということになります。

「うちの子はそんなにやっていない!」ですか?大丈夫、焦らなくていいですよ。「勉強時間が1時間半」というのはあくまで平均であり、内訳は0時間~3時間以上と大きな幅があります。
また調査は「小学5年生」を対象にしている点にも注目してください。中学受験をする場合は5年生ごろから学習時間が増えるのは自然なことです。

学年別勉強時間の目安

一般的に小学生に最適な勉強時間は「学年×15分」とされています。また子どもたちの集中力が続く時間は小学校低学年なら「年齢プラス1分」程度、高学年から中学生でも「15分」ほどと言われています。それぞれ表にまとめました。

《表》学年別・小学生の最適な勉強時間の目安と集中力が続く時間

勉強時間の目安 集中力が続く時間
小学1年生 15分 7~8分
小学2年生 30分 8~9分
小学3年生 45分 9~10分
小学4年生 60分 10~11分
小学5年生 75分 15分程度
小学6年生 90分 15分程度

勉強時間は長ければ良いというものでもありません。ダラダラと取り組んでいては、何時間勉強しようと効果は期待できまないというもの。効率の良い勉強には、目的意識や課題意識を持って主体的に勉強できているかどうかという視点が大切です。

まとめ|小学生の勉強に最も大切なのは「本人のやる気」

ここまで「小学生の効率的な勉強環境」と「適切な勉強時間」についてお伝えしてきました。

好奇心や学びというのは、人間が根源的に持っている自然な欲求です。子どもたちは本能的に「どうして?」「もっと知りたい!」という欲求を持っていますから、その欲求を満たし、伸ばすことこそが主体的な学びにつながっていきます。逆に言うと、どんな勉強も無理強いされて学んだのでは、興味も持てず身にもつかないという結果になってしまうということです。

どんなお子さまも必ず、目を輝かせて「もっとやりたい!」と言える好奇心の種を持っています。その種を見つけることこそが、大人が最初にしてやれるサポートかもしれませんね。

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