長引いた不登校の期間がようやく終わりに近づいてきた時、復学への最初の一歩をどうすべきか悩むと思います。
何かの理由で不登校になり、そこからかなり長期間学校を休んでいました。
いざそこから元の状態に戻ろうと思うと、勉強の遅れや体力面の低下はもちろん、「慣れない空間に入っていく」という緊張感も大きな障壁となることでしょう。
そういう時に検討の余地があるのが「保健室登校」という方法です。
この記事では、不登校からの復学にあたり保健室登校の良いところを3つ書き出してみました。
せっかく学校へ行く気になってきているのにまた気落ちしないかどうか心配な親御さんに、ぜひ保健室登校について知っていただければと思います。
この記事の目次
まず最初に、保健室登校について。
これは読んで字の如く、「保健室に登校する」というものです。
通常は決められた登校時間までに教室へ入り、1時間目の準備をしますが、保健室登校の場合は先生と相談して決めた時間までに「保健室に」直接登校するというもの。
学校という建物内には入りますが、他の生徒と同じ時間を避け、同じタイミングで行動する必要がないので緊張感が違います。(この辺りは学校との相談内容次第)
簡単にいえば、「気楽に登校できる」という感じですね。
そしてこの保健室登校の良いところは3つあります。
これらをそれぞれ解説いたします。
保健室に行けば保険の先生がいたり、合間を見て顔を出してくれる担任の先生などと話す機会があります。
場合によっては体調を崩して保健室へ来た友人と偶然会うかもしれません。
そうすることで、必然的に人とコミュニケーションを取る機会が生まれます。
今までは最も安全な「自宅」という空間で限られた人としか接しなかったと思います。
そうすると「阿吽の呼吸」ではないですが、詳細に説明しなくても何となく伝わったりすることがありますよね。
(しかも相手は大抵両親のどちらかなので、ますますそういう傾向にあります)
しかし家の外で接する人とはそう簡単にはいきません。
自分の気持ちや希望をしっかり伝える必要があるわけです。
人とコミュニケーションを取ることに慣れていないと、言いたいことがあっても黙ってしまったり、反対に相手の気持ちを無視した自分勝手な事を言ってしまうかもしれません。
そうならないよう、ある種の訓練の機会として、保健室登校は適していると思います。
また、上記は生徒と学校のコミュニケーションですが、「保護者と学校」のコミュニケーションの場にもなり得ると思います。
今まではある程度の期間ごとに電話で担任の先生とやりとりすることはあったと思いますが、保健室登校が始まることで改めて保護者と学校の接点が出てきます。
先生と普段からよく顔を合わせるようになれば、今まで話していなかった色々を相談することにもなるでしょう。
これも保健室登校のメリットと言えそうです。
これは特に中学生の場合ですが、保健室登校が出席日数に加算されることはメリットと言えます。
中学校ではテストの成績以外の部分(学校生活全般、授業態度、意欲など)を見て「内申点」というものが個々に与えられます。
内申点は高校受験時に加点されるのですが、これには出席日数が関係してきます。
いくらテストの点が良くて学校活動を意欲的にこなしていたとしても、出席している日数そのものが少なければ内申点は高くならないようになっています。
不登校期間中は当然出席していませんが、保健室登校をしている間は基本的に出席日数に数えてもらえるようになっているのです。
もし「少しでも学校へ行きたいと考えている(・・・けれども、どうしても教室には行けない)」という状況であれば、不登校になる前に保健室登校を利用するのもいいかもしれません。
ただし、高校の場合は出席日数として計算されるかは学校ごと対応が違います。
必ず学校に確認するようにしてくださいね。
本来の登校時間から遅れていたとしても、ある一定時間までに学校へ行く必要があるということは事実。
そうすると、生活リズムが整いやすくなります。
今までは何時に寝て何時に起きても問題ないという状況だったのが、きちんと目覚ましをかけて朝起きるようになれば、日光を浴びることで夜は眠りやすくなるでしょう。
保健室登校をすることで生活リズムが整っていき、完全復帰の足がかりになると思います。
この記事では、保健室登校についての良いところを書き出してきました。
不登校の状態から保健室登校をしようと思ったのならば、本人の中にかなりエネルギーが溜まってきて、完全復帰も見えてきているかもしれません。
しかしここで焦ってしまうと逆戻りのリスクもあります。
誰しもそうですが、「いける!」と思った時はついやりすぎてしまう場合があります。
そういう時に焦って復学させないよう、気持ちをコントロールする術を身につけていきましょう。
そのためには、保健室登校などの仕組みもうまく活用していくといいと思いますよ。
まずは保健室に通えた事を「すごい!」と褒めてあげて、それに慣れてきたら次のステップに進むようにしてみてくださいね。
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