学校に通うのが「普通」だった子どもがある日、不登校になってしまう。
これは今や世の中で当たり前のようになりつつある現象です。
不登校の原因にはさまざまな理由があり一概には言えません。
また、不登校から復帰(復学)するまでの期間も当然バラバラで、親の気持ちとしてはハラハラすることが多いでしょう。
ですからその間に、実際に不登校になった後の子どもの「行き先」について検討される方も多いと思います。
この記事では、不登校になったら子どもはどこへ行って何をするべきなのか?どういう選択肢があるのか?という部分について述べています。
不登校を選んだ子どものその後について考えている親御さんには是非お読みいただければと思います。
この記事の目次
まずは本記事で述べる6つの選択肢について列挙していきます。
これらの内容を簡単に解説していきます。
「家でゴロゴロと無駄に時間を使って何事か」と気になる親御さんは多いと思います。
家にいるなら自習するかせめて家事の手伝いでもしてほしい、と。
ただ、そもそも学校での生活・人間関係に疲れた子どもにとって、唯一心が休まるのが家の中という安全空間なんです。
特に不登校になってすぐの頃は、心身ともに疲弊している状態。
そういう状態なのに、自分から進んで行動するようなことは難しいでしょう。
ですから、明らかに人に迷惑がかかるような行動以外は容認してあげるのが良いと思います。
ゲームや漫画に没頭するならそれもよし。
お風呂に入らなかったり髪の毛がボサボサでも多少の間ならよし。
少しでもストレスになることを減らし、リラックスできる時間を増やしてあげると良いでしょう。
とは言っても、親子の会話や日常的な声掛けは続けること。
心が回復してくると、自然と次のステージに進めるようになってきますよ。
子ども自身が「外には出られないけど勉強はしたい」と言っていたり、将来は高校や大学に行きたいと言っている場合はこの方法もありです。
通信教育は自分でスケジュール管理をするのが大変ですが、誰にも会いたくない(会いにくい)という場合は検討してもいいと思います。
家庭教師は不登校の子どもを指導してきた実績がある場合も多く、そういった教師を選ぶようにすると良いでしょう。
ただし人と接する以上、教師の実力やその会社の実績よりも、「教師個人との相性」がかなり重要になってきます。
いずれにしても、「一度始めたからには何がなんでも続けなければ」と考えないようにしないといけません。
辞められないと考えることがまたストレスになってくるからです。
人と何らかの関わりを持てるので、社会から孤立しにくくなるのもメリットと言えます。
こちらも勉強・進学したいという子ども向けの選択肢。
塾の指導方法も様々ですが、最近では「個別指導スタイル」を取っているところも多く、人に会いづらい不登校の子どもにも合っているケースもあります。
ただ学校に行っていない上に塾でも人と接することが少ないので、同世代の友達を作りにくい環境には変わりありません。
もし始めるなら、塾の先生やスタッフ、塾の体制そのものが不登校への理解がどの程度かを確認してみると良いでしょう。
フリースクールとは、様々なバックボーンを持つ子どもたちが通っている、やや規制の緩い学校をイメージすると良いでしょう。
難関校への受験対策としては少し物足りないかもしれませんが、色々な考え方を持っている同世代の子どもと接することができるので、考え方の幅が広がる可能性があります。
ただしその分、人間関係が原因で生じるストレスは受けるかもしれません。
「同世代」というのが苦手な子どもの場合は難しいと思います。
利用を検討する場合はネットや口コミの情報・評判を鵜呑みにせず、しっかり見学や体験をすることです。
不登校の理由が学校(または学校内)にあるのがわかっている場合は、転校は有効な手段です。
例えば執拗ないじめを受けている場合や、担任先生など関わりの深い教師、校長の理解を得られないような学校の場合です。
こうしたケースでは、転校することで元の子どもの状態に戻ることもあり得ます。
ただし、万が一転校先でも学校に通えなくなってしまった場合、子どもはさらに自信を失うことになるかもしれません。
また、地域的に転校できる学校が無いところだったり、経済的な余裕の有無にも関わってくる問題です。
転校しかない!という考えに固執せず、まずは少し休んでからその他の選択肢もゆっくり検討すると良いでしょう。
日本の考え方より海外の考え方の方が肌に合っているという人は実際にいます。
そのため、海外留学すると日本にいた頃では考えられないように明るく元気になる子どももいます。
海外への正規の留学の場合は日本の学校の卒業資格を得ることもできますから、例えば高校を海外で卒業して大学の時に日本に帰国するという考えもありです。
本人にその意思があり、経済的にも可能であれば検討の余地があるでしょう。
ただし親元を離れて外国で暮らすというのは想像以上にハードな現実が待っています。
メリット面ばかりを強調して考えないことが大切です。
この記事では、不登校になった後はどこへ行けるのか、何をするべきなのかということを書いてきました。
記事前半でも触れましたが、不登校になった直後というのは心身の疲労がピークになっている状態だと思います。
何よりも優先すべきは、まず回復すること。
少し回復してきたなと思ったら、それからゆっくりとその後のことについて考えて決めていくようにしましょう。