今まさに不登校の子どもを持つ親御さんや、元不登校だった子どもを持つ親御さん、不登校支援をしている活動家の方々の中には、必要以上に学校を悪く言う人もいます。
これらの言葉は、要するに「ウケがいい目立つ言葉」であって、良くも悪くも注目を浴びやすい言葉と言えます。
こうした言葉を使っている方が目立つし、何だか頼りになって、本当のことを言っているように聞こえる(聞こえやすい)言葉なんですね。
確かにごく一部の人には『刺さる』言葉であり、同調する人が全くいないとまでは言えません。
しかし、はっきり言ってこのような「学校の悪口」となる言葉は使わない方がいいでしょう。
この記事では、不登校の子どもになぜ学校の悪口を言ってはいけないのかということを解説いたします。
無意識にそうした言動をしてしまっている親御さんや、それらの言葉にばかり注目してしまっている方にお読みいただければ幸いです。
この記事の目次
学校を悪く言うのをやめた方がいい理由。
それは至極単純で、「子どもの本心としては学校に戻りたいと思っているから」です。
何らかの理由があって心身がとても疲れた状態になったから、今は回復のため一時的に不登校という手段をとっているだけの状況です。
無事回復したら、友達がいたり色んな経験ができる学校へ戻りたいと思わないわけがありません。
もし通っている学校で執拗ないじめを受けている場合でも、その学校には戻りたくなくても他の学校には行きたいと考えることが多いでしょう。
また、例えば現在は中学生で不登校になっていても、高校や大学には進学したいと考えているのは当たり前のことです。
そのためにも学校の勉強を続けて学力をつけたいと思っていることでしょう。
こうしたことが考えの根底にある以上、「学校に戻りたい」と考えるのは当然のことなんですね。
冒頭に挙げた、
等のセリフですが、これらを完全に肯定できる人や裏付けられる事実を述べられる人はいないでしょう。
学校の勉強が役に立たないことがあるわけありません。
文字を読む、書く、計算をする、音楽や美術などの芸術に触れる、歴史や近代史の内容を知る、理科の実験をする・・・等の内容を必要ないと断じることはできません。
もちろん、学校のカリキュラムや教師との相性が合わないという場合はあります。
そうした子どもでも、環境を変えることで勉強を続けられる子は大勢います。
もしくは、学校には通えなくても学校の勉強はしたいと考え、自宅で通信教材での学習や家庭教師をつけて勉強する子も多いですよね。
また、学校の授業からすこし外れるかもしれませんが、「新しいことを知ることは全て勉強」とも言えます。
「勉強に意味がない」と言ってしまうことは、その子の持つ可能性を狭めてしまうことになるでしょう。
「学校に行っても意味がないからもう行かなくてもいいよ。先生の言うことも間違ってるから聞く必要なんてないよ。」と言ってしまうと、「意味がないのに、間違ったことを言っている人の言うことなのに、じゃあ今までなんで毎日行かされていたんだろう・・・」という疑問を持つことになってしまいます。
学校の悪口や先生の悪口をわざわざ子どもに言う必要はないのです。
ではどうすれば学校や先生の悪口を言わずに済むのでしょうか。
その答えは「学校の話題自体を出さないようにすること」です。
もし学校否定をしたくなっても、それは心の中だけにとどめておきましょう。
そもそも学校の話題を出してしまっているうちは、学校へ早く戻ってほしいという願いを持っている状態です。
不登校からの復帰には、まず子どもの心身を回復させるのが大切。
そのためには、親の方が「学校に行ってほしい」という願いを一時的に捨てる(封印する)ことが重要です。
学校の話題を口にすればするほど、それが良い内容でも悪い内容でも、「ああ、なんだかんだ言ってるけど、親は学校に行ってほしいと思ってるんだろうな」と見抜かれ、回復から遠ざかっていきます。
そして子どもの味方をしようと考えると、つい学校の悪口を言ってしまうことになりがちです。
親が学校の話題を口にしなくなれば、当然学校や教師への悪口は無くなり、子どもは少しずつ回復へと向かっていくことでしょう。
この記事では、「不登校の子どもには学校や先生の悪口を言わないようにする」ということについてまとめてきました。
理由は単純で、今は不登校でも学校には行きたいと思っているからです。
誰だって自分が行きたい場所のことを悪く言われるのは嫌なはずです。
不登校中の子どもとの会話には、学校とはまるで関係ない話、例えば天気の話、旅行の話、そして好きなアニメやアイドルの話などをしてもいいと思います。
そうした他愛のない会話を続けていると、そのうち自分から「学校にそろそろ行ってみようかなあ」と言い出すことでしょう。
くれぐれも「アニメやアイドルもいいけど、まずは学校に行かなきゃね」などとは言わないよう気をつけましょう!